投資信託解説シリーズ。今回は、「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」のご紹介です。
「投資対象が株式だけでは不安」
「バランス型の投資信託に自信が持てない」
「どのバランス型商品がよいかわからない」
この記事を読めば、バランス型投資信託のメリットと、ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の魅力と懸念点がわかります。
この商品一本で、ほったらかしで安定的な運用ができるので、老後の運用にピッタリの商品です。
商品の目論見書を読み解きながら、解説していきます。
バランス型投資信託のメリット
メリット①:複数の資産への投資が可能
投資には「卵をひとつのカゴに盛るな」という格言があります。
できるだけリスクを分散させなさい、という意味です。
分散させるべきものには「資産」も含まれています。
株式だけでなく、債券や不動産、金など、投資対象の資産も分散させるのが基本です。
バランス型の投資信託は、これ一本で複数の資産に投資できます。
メリット②:自動でリバランス
投資において最も大切なのは、資産配分の割合(アセットアロケーション)です。
投資におけるリターンは資産配分によって決まるとも言われるくらい重要です。
評価額は時間とともに変動するので、長期投資の場合、最初に決めた割合を維持するよう、定期的に売買して調整しなければなりません。
この資産配分の調整のことをリバランスと言います。
リバランスは、減った資産を増やし、増えた資産を減らすこと、つまり値段が下がったものを購入し、値段が上がったものを売却することです。
これにより、パフォーマンスが改善する効果も期待できます。
バランス型投資信託は、運用会社が自動でこのリバランスを行い、アセットアロケーションを一定に保ってくれます。
本来必要な定期的な(半年や一年ごと)のリバランスを運用会社にお任せできます。
バランス型投資信託のメリット
- 複数の資産へ投資可能
- 自動でリバランス
この商品の魅力と懸念点
魅力①:効率の良いポートフォリオ
この投資信託は、4つのファンドに25%ずつ投資をしています。
それぞれのファンドは以下指数に連動するよう運用されます。
基本投資割合
- 国内株式:東証一部の株価動向を示す「TOPIX」に連動
- 国内債券:国内債券市場の動向を示す「NOMURA - BPI総合」に連動
- 先進国株式:日本を除く先進国の株価動向を示す「MSCIコクサイ・インデックス」
- 先進国債券:日本を除く先進国の国債市場動向を示す「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」
この資産配分は、我々の年金を運用している年金積立金管理運用独立法人(GPIF)の資産配分(基本ポートフォリオ)とほぼ同じです。
これは、様々なシミュレーションの結果、期待リターン4%の投資の中で最もリスクが低くなるものとして決められました。
詳細については基本ポートフォリオの変更について(詳細)をご覧ください。
GPIFのポートフォリオ
- 国内株式:TOPIX
- 国内債券:NOMURA - BPI総合
- 外国株式:日本を除く先進国+新興国の株価動向を示す「MSCI ACWI(除く日本)」
- 先進国債券:FTSE世界国債インデックス
なお、過去5年間の騰落率(値動き)は、最小▲7.5%~最大+23.6%、平均+7.2%です。
リスク・リターンは「先進国債券」と「先進国株式」のちょうど半分くらいでしたね。

2022年2月19日使用開始の交付目論見書より抜粋
魅力②:手数料が安い
投資信託において確認しなければいけない手数料は、購入時に発生する販売手数料、保有期間中に発生する信託報酬、売却時に発生する信託財産留保額の3つです。
このうち、売買時に発生する販売手数料、信託財産留保額は無料です。
この2つの手数料は無料であることが現在のスタンダードなので、もし発生する商品を勧められたら疑いの心を持ちましょう。

2022年2月19日使用開始の交付目論見書より抜粋
信託報酬は0.154%(税込)で非常に安いです。
信託報酬の目安は0.25%を下回っているかどうかです。

2022年2月19日使用開始の交付目論見書より抜粋
魅力③:自動で配当再投資
投資信託には、「配当金を分配するタイプ」と「配当金を分配せず再投資するタイプ」の2種類があります。
この商品は「再投資」タイプで、2015年に設定されて以降一度も配当をしていません。

2022年2月19日使用開始の交付目論見書より抜粋
配当金に対しては、分配の都度税金が発生しますが、配当を行わずに再投資(=基準価額が上昇)すると、税金の発生を先送りにしてさらなる運用益が期待できます。
懸念点:純資産総額の増加が鈍い
この商品唯一の懸念点が、純資産総額があまり増加していないことです。
増加は継続していますが、非常に緩やなペースです。
一般的に、純資産総額は200億円以上あれば、早期償還の可能性が低く、問題ないと言われています。
この商品の純資産総額は235億円(2022年8月17日時点)ですので、ぎりぎり大丈夫な水準です。
この商品への資金流入がそこまで多くないことは認識しておきましょう。

この商品の魅力と懸念点
- 魅力①:効率の良いポートフォリオ
- 魅力②:手数料が安い
- 魅力③:自動で配当再投資
- 懸念点:純資産総額の増加が鈍い複数の資産へ投資可能
他の4資産バランス型ファンドとの比較
4資産バランス型投資信託は主に3本あります。
その3本を比較したのが下表です(純資産総額、信託報酬は2022年8月17日時点。)
一番上に記載しているこの商品の信託報酬が最も低く、また純資産総額も一番多くなっています。
バランス型投資信託なら「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」一択と言えます。
商品名 | 純資産総額 | 信託報酬 |
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 245億円 | 0.154% |
eMAXISバランス(4資産均等型) | 56億円 | 0.55% |
つみたて4資産均等バランス | 116億円 | 0.24% |
まとめ
ポイント
- バランス型投資信託なので、一本で複数の資産に投資可能であり、リバランスも自動。
- 効率の良いポートフォリオで、手数料は安く、自動で配当再投資される。
- 唯一の懸念点は純資産総額の増加が鈍いこと。
→「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」一本で、「ほったらかし」で「安定的」な運用が期待できる
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