銀行口座は、給与受取、ATMでの現金引き出し、公共料金・クレジットカードの引落、他行への振込など、日常生活において多くの場面で利用しています。
しかしながら、「地元の銀行だから」「給与受取に指定されているから」といったきっかけで口座を開設し、そのままメインの口座として使い続けている人も多いのではないでしょうか。
世の中には、かなりお得なサービスを提供している銀行があります。
この記事では、生活防衛資金の預けるときのポイントと、生活防衛資金の預け先におすすめの銀行をご紹介します。
2023年9月時点の最新情報を記載しているので、是非最後までご覧ください。
生活防衛資金を預けるときのポイント
生活防衛資金の預けるときのポイントは、次の3つです。
- ATM利用・振込手数料が発生しない銀行を選ぶ
- メインの銀行口座とわける必要はない
- 1つの銀行に預けるのは1,000万円まで
ATM利用・振込手数料が発生しない銀行を選ぶ
お金を貯めるには、ATMや振込の手数料を払わないことがとても重要です。(普通預金の金利の高さよりも!)
金利は、一番高いレートを提示している銀行でも0.3%です。
100万円を預けても1年間で3,000円しか利息をもらえません。
一方で、ATMや他行振込を利用する機会は多いと思いますが、三菱UFJ銀行の場合、コンビニATMの手数料は~330円/回、他行への振込手数料は~220円/回です。
毎回手数料を払っていたら、受け取った利息よりも支払った手数料の方が高くなってしまいます。
また、手数料優遇回数は、商品やサービスの利用状況に応じて決定する銀行が多いです。
そのため、優遇される回数だけでなく、優遇される条件もしっかりと確認をしましょう。
メインの銀行口座と分ける必要はない
生活防衛資金を預ける銀行口座はメインの銀行口座と同じで大丈夫です。
必ずしも別の口座に入れておく必要はありません。
自分にぴったりの口座にお金をまとめましょう。
1つの銀行に預けるのは1,000万円まで
日本には預け先の銀行が破綻したときの預金保護の仕組みがあります。
利息のつく普通預金や定期預金などは、金融機関ごとに合算してひとり元本1,000万円とその利息が保護されます。
(参考:預金保険機構「私の預金は預金保険でいくら保護されるの?」)
銀行には様々な規制があるので破綻する可能性は低いですが、この保護(1,000万円+利息)を超える部分は全額戻ってこない場合があります。
万が一に備え、一つの金融機関に預ける金額は1,000万円以下に留めましょう。
もし預金額が1,000万円を超える場合は、複数の銀行に分けて預けるか、個人向け国債で運用するのがおすすめです。
生活防衛資金の預け先におすすめの銀行
具体的に、生活防衛資金の預け先におすすめの銀行を4つご紹介します。
- 住信SBIネット銀行
- あおぞら銀行
- auじぶん銀行
- 楽天銀行
候補1:住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、東証スタンダード市場に上場しているネット銀行です。
使い勝手が良く、メインとしてもサブとしても活躍してくれる銀行です。
迷ったら住信SBIネット銀行で口座開設すれば間違いありません。
こんな方におすすめ
- 全員
ポイント
- ATM利用・振込手数料がそれぞれ月5回~無料
- キャッシュカードの持ち歩く必要なし
- 他行からの入金・他行への送金を自動化できる
- 複数の口座を開設できる
■ATM・振込手数料がそれぞれ月5回~無料
住信SBIネット銀行は、利用状況に応じたランクによって、ATM利用・振込手数料の優遇回数が決定されます。
参考
優遇回数を超えた場合の手数料は、ATM利用は1回110円、他行振込は1回77円。
スマホのアプリでスマート認証NEOの初期設定をすれば、ATM利用手数料と振込手数料がそれぞれ月5回まで無料のランク2になれます。
また、ATM・振込手数料が月10回まで無料になるランク3を簡単に達成する方法もあります。
■キャッシュカードの持ち歩きが不要
住信SBIネット銀行には「アプリでATM」というサービスがあります。
これにより、セブン銀行・ローソン銀行のATMなら、キャッシュカードなしで、スマートフォンのアプリだけで入出金ができます。
注意ポイント
ファミリーマートだけは「アプリでATM」は対応していません。
■他行からの入金・他行への送金を自動化できる
住信SBIネット銀行には次の2つのサービスがあり、銀行間の資金移動を完全自動化できます。
- 定額自動入金サービス(他行口座→住信SBIネット銀行口座)
- 定額自動振込サービス(住信SBIネット銀行口座→他行口座)
給与振込口座や家賃引落口座が指定されていて、他の銀行口座も使っている方には有難いサービスです。
注意ポイント
自動入金サービスの注意点は、
- 引落日が決まっている(毎月5日または27日のみ)
- 資金移動にタイムラグがある(4営業日)
- 対応していない金融機関もある
自動入金サービスを提供しているネット銀行は他にもありますが、注意点は基本的に同じです。
■複数の口座を開設できる
住信SBIネット銀行の中に、最大10個まで「目的別口座」を作ることができます。
それぞれの目的別口座には、口座名、目標金額、期日を設定できて、代表口座からの自動振替も可能。
貯金のアシストをしてくれます。
候補2:auじぶん銀行
auじぶん銀行は、三菱UFJ銀行(29.5%)とKDDI(70.5%)によって設立されたネット銀行です。
金利が最も高く、手数料優遇回数も多いですが、これらの優遇を受けるにはいくつか条件を達成する必要があります。
こんな方におすすめ
- 高い金利と手数料優遇回数の両方を享受したい
- 100万円以上を預けることができる
- auカブコム証券で投資信託のクレカ積立を利用している
ポイント
- 金利は最大0.3%で業界最高水準
- 100万円以上あればATM・振込手数料は月10回まで無料
- キャッシュカードの持ち歩きは不要
- 他行からの入金を自動化できる
■金利は最大0.3%で業界最高水準
auじぶん銀行の金利は、auグループのサービスの利用状況に応じて、金利は最大0.3%までアップします。
ただし、すべての条件を達成するのはかなり難しいです。
au PAYアプリ、auマネーコネクト(auカブコム証券との口座連携)は初期設定するだけ。
この2つの条件を達成すれば、優遇金利は0.15%なります。
au PAYカードの引落としは、auカブコム証券でのクレカ積立も対象です。
上の2つに加えてこの条件も達成すれば、優遇金利は0.2%になります。
auマネ活プランはauの携帯料金プランのこと。
au PAYゴールドカードは年会費11,000円。
auヘビーユーザーで、メリットをしっかり受けられる人は条件達成を検討しましょう。
■100万円以上あればATM・振込手数料は月10回まで無料
auじぶん銀行のATM・振込手数料は、基本的にauのサービスの利用状況に応じて決まります。
最低ランクのレギュラー会員でも、ATM出金・振込手数料はそれぞれ月3回まで無料です。
条件 | ATM出金手数料 | 振込手数料 | |
プレミアム | 5サービス以上利用 または総資産1,000万円以上 |
月15回 | 月15回 |
ゴールド | 4サービス利用 または総資産100万円以上 |
月10回 | 月10回 |
シルバー | 2~3サービス利用 | 月5回 | 月5回 |
レギュラー | - | 月3回 | 月3回 |
(auじぶん銀行 じぶんプラスより筆者作成)
参考
優遇回数を超えた場合の手数料は、ATM利用は1回110円(コンビニ・三菱UFJ)または220円(ゆうちょATM)、他行振込は1回99円。
特別条件によって、総資産100万円以上なら、ATM・振込手数料がそれぞれ月10回まで無料になるゴールドステージとなります。
■キャッシュカードの持ち歩きは不要
auじぶん銀行でも、キャッシュカードを使わずスマートフォンアプリのみで、ローソン銀行ATM・セブン銀行ATMで現金の入出金ができるスマホATMサービスがあります。
■他行からの入金を自動化できる
auじぶん銀行には、他行からの入金を自動で行う定額自動入金サービスがあります。
手数料は無料。
引落日は毎月6日または26日、入金は引落から4営業日後です。
注意ポイント
他行への送金を自動化する定額自動振込サービスはありません。
候補3:あおぞら銀行「BANK」
あおぞら銀行は、東証プライム上場の普通銀行で、そのインターネット支店が「BANK」です。
BANKでは、通帳・印鑑は廃止していて、口座開設や銀行取引はすべてパソコンやスマホアプリで完結します。
こんな方におすすめ
- 生活防衛資金をメインの口座とわけたい(=他行振込の頻度が少ない)
- ある程度まとまった資金があるので元本保証で運用したい
ポイント
- ゆうちょ銀行ATMなら何回でも手数料無料
- 振込手数料は最大で月3回まで無料
- 普通預金金利は無条件で0.2%
■ゆうちょ銀行ATMなら何回でも手数料無料
あおぞら銀行は、ゆうちょ銀行ATMの手数料は無条件で無料です。
コンビニATMや他行ATMは有料ですが、家の近くにゆうちょ銀行ATMがあれば問題なさそうです。
■振込手数料は最大月3回まで無料
あおぞら銀行の振込手数料は、最大で月3回まで無料になります。
参考
■金利は0.2%と高い
あおぞら銀行の普通預金金利は0.2%で非常に高いレートが設定されています。
しかも条件は特になし。
■自動で貯蓄するユニークなサービス
あおぞら銀行には、VISAデビットの利用額の一定割合を自動的に貯蓄するサービスがあります。
お金を使うたびに貯蓄をすれば、使いすぎを防げますね。
貯蓄の目標・金額は最大20個まで設定可能。
それぞれの目標に対して、現在の積立額を確認できるのでわかりやすく、貯金のモチベーションを維持しやすくなっています。
候補4:楽天銀行
ポイント還元率が魅力の楽天グループ。
最近は還元率の改悪が続いていますが、ポイントが貯まりやすいサービスであることには変わりません。
楽天銀行単体では今一つの部分がありますが、楽天グループ全体として考えれば検討の余地ありです。
こんな方におすすめ
- 楽天グループのサービスをよく利用している人
- 預ける金額が300万円以下の人
ポイント
- 優遇金利は0.1%(300万円まで)
- ATM利用手数料・振込手数料の優遇
- 毎月おまかせ振込予約
- 楽天市場でのポイント還元率アップ
■優遇金利は最大0.1%
楽天銀行では、楽天証券と口座連携(マネーブリッジ)を設定すれば、優遇金利0.1%が適用されます。
ただし、優遇金利1%が適用されるのは300万円までで、300万円を超える部分の金利は0.04%です。
■ATM利用・振込手数料の優遇はまあまあ
楽天銀行も、残高や取引件数に応じてATM利用・振込手数料の優遇回数が決定します。
参考
優遇回数を超えた場合の手数料は、ATM利用は1回220円または275円、他行振込は1回145円。
わかりやすいように残高基準で考えると、優遇回数は次の通りです。
ポイント
- 残高50万円以上 →ATM利用・振込:それぞれ月2回まで無料(プレミアム)
- 残高100万円以上 →ATM利用:月5回まで、振込:月3回まで無料(VIP)
- 残高300万円以上 →ATM利用:月7回まで、振込:月3回まで無料(スーパーVIP)
毎月の取引件数によってもステージ判定がされるので、預金残高が少ない人は、取引件数を増やしましょう。
なお、楽天銀行を給与、賞与、年金受取口座に指定すれば、振込手数料は月3回まで無料になります。
■他行への送金を自動化できる
最大99件まで、追加の手数料なしで定期的な振込をすることができます。
注意ポイント
振込手数料の優遇回数は消費されます。
注意ポイント
他行からの入金を自動化する定額自動入金サービスはありません。
■楽天市場でのポイント還元率アップ
楽天銀行で下記設定をすると、楽天市場での買い物のポイント還元率が最大1.0%上昇します。
- 楽天カードの引き落とし口座に設定:+0.5倍
- 給与・賞与・年金の受取口座に設定:+0.5倍
まとめ
生活防衛資金の預けるときのポイントと、生活防衛資金の預け先におすすめの銀行を紹介しました。
じぶんにぴったりの銀行を見つかりましたか?
ネット銀行の競争は激しく、提供されるサービスは頻繁に更新されます。
定期的にネット銀行の情報を確認していきましょう。
本記事のポイント
- ATM利用・振込手数料が発生しない銀行を選ぶ
- メインの銀行口座と分ける必要はない
- 1つの銀行に預けるのは1,000万円まで
- 住信SBIネット銀行 →使い勝手が良く万人におすすめ
- auじぶん銀行 →条件達成が必要だが、金利と手数料優遇が充実
- あおぞら銀行BANK →振込手数料の優遇は少ないが金利は高い
- 楽天銀行 →楽天市場でのポイント還元率アップ