娘は、生後5ヶ月を過ぎたころ、東京・赤坂にある「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」で「重症の斜頭」と診断されました。
ヘルメット治療を推奨されたものの、悩んだ末に、ヘルメット治療は行わないことに決めました。
この記事では、赤ちゃんのあたまのかたちクリニックで診察を受けた経緯や診断内容、ヘルメット治療をしないことに決めた理由などをご紹介します。
ヘルメット治療をするかどうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」概要
病院名 | 赤ちゃんのあたまのかたちクリニック |
住所 | 〒107-0052 東京都港区赤坂4-7-15 赤坂丹後ビル1・2F |
電話番号 | 03-6230-9972(赤ちゃんのあたまのかたち) 03-6435-5950(皮膚科・神経運動発達外来) |
定休日 | 金曜・日曜・祝日 |
- 乳児の頭蓋変形の診断治療に特化した日本初の専門クリニックです。検査、診断から治療までの一連の診察を専門医師が責任をもって対応いたします。
- 赤ちゃんの頭蓋変形(斜頭・ 長頭・短頭(ぜっぺき)等)の原因を診断し、適切な治療方法を提案します。
- 当クリニックでは、自然治癒が期待できるものや手術が必要な病的な場合を除いて、希望されるお子さまの頭蓋変形を医療用頭蓋矯正ヘルメットを使用した矯正治療を専門的に行なっています。
- 完全予約制で赤ちゃんとお母さんをお待たせしません。
- 赤ちゃんと一緒に出勤しているスタッフもいますので、育児の悩みも気軽に相談できます。
- オムツ交換、授乳設備があります。
(引用:赤ちゃんのあたまのかたちクリニックより)
赤ちゃんのあたまのかたちクリニックは、乳児の頭蓋変形専門のクリニックです。
東京メトロ「赤坂見附駅」または「永田町駅」から徒歩約10分です。
診察を受けた経緯
東京・赤坂にある「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」で診察を受けた経緯をご紹介します。
- 向き癖の影響で、少しずつ頭が歪み始める
- 3-4ヶ月健診で「頭の歪みが強い」と指摘される
- 頭の形の矯正に積極的な病院・クリニックの1つとして紹介される
1ヶ月健診で小児科医に相談
大きな異状なく生まれてきてくれましたが、退院して一緒に生活を始めると、向き癖(左)があることに気が付きました。
恐らくその影響で、少しずつ左の後頭部が潰れてきてしまいました。
頭の歪みについて、1ヶ月健診で小児科医に相談したところ、
少し歪んでいるが、気にならない程度。
頭の形はどんどん変わる。
なるべく反対側向きでも寝かせてあげて。
と診察されました。
その後は、指示通りになるべく反対側を向かせて寝かせるようにしていました。
ただ、うまくいかないことも多かったです。
小さい子どもがいる知人に会ったときに、赤ちゃんの頭の形について相談してみたら、
などの反応。
3-4ヶ月健診で小児科医に相談
すっかり安心して過ごしていましたが、ある日、ふと頭の形を見たら、以前よりも歪みが強くなっているような気がしました。
ちょうど3-4ヶ月健診があったので、頭の歪みについて小児科医に相談したところ
主観的な感想だが、頭は歪んでいる、歪みが強い方だと思う。
東京にはいくつか赤ちゃんの頭の形の矯正に積極的な病院・クリニックがある。頭の形が気になるなら行ってみてはどうか。
と診察されました。
この時紹介された病院・クリニックが、
- 赤ちゃんのあたまのかたちクリニック(港区 赤坂)
- 0歳からの頭のかたちクリニック(中央区 日本橋)
- 東京女子医科大学病院(新宿区 河田)
の3つでした。
まずは先生に診てもらって、話だけ聞いてみよう!
ということで、早速予約を取ることに。
自宅から一番通いやすかった「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」を予約しました。
「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」での診察
「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」は完全予約制のため、一階の入口前インターホンで名前を名乗り、解錠してもらいます。
靴を脱ぎ、個室に案内されます。
診察の流れは次の通り。
- 問診票記入
- 問診
- 頭のゆがみ測定
- 結果説明
- 会計
①問診票記入
個室に案内されると、まずは問診票を記入します。
問診票の質問内容には、次のようなものがありました。
- 赤ちゃんの基本的な情報(氏名、生年月日、既往歴他)
- 診察をした経緯
- 他の医師に相談をしたかどうか
- 両親・両祖父母のアレルギー
②問診
問診票を提出して少し待つと、先生が来て、問診が始まります。
印象に残ったのは、頭の形を測定する前に、親から見た赤ちゃんの頭の歪みの印象(どこが歪んでいるように見えるか、気になるか)について聞かれたことです。
その理由を説明してもらいましたが、あまりよく分からず、、、いまでもよくわかっていません。
③歪みチェック・頭の形測定
問診が終わると、先生による歪みのチェック・頭の形の測定です。
まずは、目視による顔と頭の歪みチェック。
- 顔を正面から見て、顔のパーツの位置が左右対称か、こめかみのカーブは左右対称か、頭の高さは左右対称か
- 顔を横から見て、おでこ~頭頂部に向けたカーブや頭頂部~後頭部にかけてのカーブはきれいか
- 頭を上から見て、耳の位置は左右対称か、頭は歪んでいないか
次に、頭の形を測定します。
頭囲はメジャーを使用、それ以外についてはクラニオメーター(下図)を使用しました。
クラニオメーターは結構アナログな感じです。
何を測定しているのか、見ていてもよくわかりませんでした。
④結果説明
測定値を基に、次の3つについて結果を説明してくれました。
- 頭囲
- 短頭(=頭が横長かどうか)
- 斜頭(=左右に歪んでいるかどうか)
短頭(たんとう)とは?-----頭長幅指数(cephalic index,)が81%以上である場合(客観的)。または前後径が幅に比較して短い場合(主観的)を指します。
斜頭症(しゃとうしょう)とは?-----頭のどちらか片方が平坦になり、全体を見ると頭が左右非対称に見える形のことをさす医学用語であり、それだけでは決して病気ではありません。
1. 頭囲
頭囲について、成長曲線と測定値を比較されました。
成長曲線の真ん中近くにあること、過去の健診での測定値も踏まえて順調に成長していることから、病気の可能性は低いとのことでした。
2. 短頭
短頭かどうかは、頭長に対する頭幅の百分率(「頭長幅指数」)で判定します。
頭が前後に長いほど、この比率は小さくなります。
頭長幅指数 | 判定 |
79%以下 | 長頭 |
80%~94% | 標準(日本人) |
95~101% | 短頭 |
101%以上 | 超短頭 |
測定結果は「81」、長頭に近い標準でした。
3. 斜頭
頭を上から見たときの縦の中心線(下図の赤色の線)から、左右それぞれ30度ずらした対角線(下図の青色の線)の左右差がどれくらいかで、斜頭の重症度を判定します。
対角線の左右差 | 判定 |
6mm未満 | 正常 |
6~9mm | 軽症 |
9~13mm | 中等症 |
13~17mm | 重症 |
17mm以上 | 最重症 |
対角線の左右差は「15mm」、右の「重症」の斜頭と診断されました。
斜頭と一言で言っても、歪むタイプは複数あり、医学的には次の5つのタイプに分類されています。
どれか一つのタイプということもあれば、複数のタイプを併せ持つこともあるようです。
type I | 片側の後頭部の平坦化 |
type II | 平坦な側の耳介が前方にある |
type III | 平坦な側の前額の前方突出、前頭部の左右非対称 |
type IV | 平坦な側の同側の頬部の前方突出 |
type V | 多くは対側の側頭部の膨隆または平坦な側の後頭部の増高 |
斜頭のタイプとしては、I, II, III, Vに該当している、と診断されました。
最後に、ヘルメット治療に関する簡単な説明を受けました。
「後で読んでね」と、ヘルメット治療についてのパンフレットも渡されます。
- 頭は、一度歪むと形は変わらない、歪んだ形のまま大きくなっていく
- ヘルメット治療をしない場合、左右差が縮んでも2mm程度
- 「中等症」であれば自然治癒で「正常」に収まる可能性もある
- 「重症」「最重症」は、自然治癒では「正常」になる可能性は低いのでヘルメット治療を推奨
- ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭が大きくなるときに、大きくなる部分・大きくしない部分をヘルメットで調整する方法
- 頭囲の成長スピードは、生後6ヶ月を過ぎると緩やかになるので、生後6ヶ月になる前にヘルメット治療を開始すると効果が得られやすい
- ヘルメット治療は、頭の後ろ側を矯正するもので、頭の前側は矯正できない
- ヘルメットはオーダーメイド品なので、完成するまでに2週間かかる
ちなみにヘルメット治療代は、再診料やヘルメット代金・調整代など諸費用も含めて、税込57万円です。
⑤会計
即決できるわけもなく、家に帰ってじっくり検討することになりました。(先生も察してくれました)
ただし、生後6ヶ月までに治療を始めるためには、ヘルメットを作る期間を考えると(ヘルメット治療を始めるなら)1週間以内にご連絡いただきたい、と言われました。
会計は、初診料として8,000円。
クレジットカードで決済できました。
初診から一週間以内にヘルメット治療を申し込んだ場合、ヘルメット治療代57万円に初診料は含まれる、とのこと。
ヘルメット治療をしないことに決めた理由
重症の斜頭と診断されましたが、家族会議の結果、ヘルメット治療をしないことに決めました。
その理由は次の通りです。
- 冷静な考えを取り戻せた
- 頭の形が気になる大人に出会ったことがない
- 髪が伸びれば頭の形はほとんどわからなくなる
- 大人になれば上から見られる機会は減る
- 赤ちゃんへの負担が大きそう
- 乳児期のかわいい様子をたくさん撮りたい
冷静な考えを取り戻せた
ヘルメット治療をしないことに決めた理由の1つ目は、冷静な考えを取り戻せたからです。
3-4ヶ月健診で「歪みが強い」と言われ、専門医に「重症」と診察され、インターネットで斜頭を調べて、、、
そうしているうちに、赤ちゃんの頭の歪みがどんどん気になってしまいました。
診察を終えて家に着いたときは、ヘルメット治療をするしかないと思っていたほどです。
ただ、妻とよく話し合い、一晩寝て冷静に考えたら、後述の理由を受け入れられるようになり
- 頭の歪みは大した問題ではないのでは?
- わざわざ治療をしなくてもよいのでは?
と考えが変わってきました。
頭の形が気になる大人に出会ったことがない
ヘルメット治療をしないことに決めた理由の2つ目は、頭の形が気になる大人に出会ったことがないからです。
自分の知人の中に、頭の形の歪みが目に余る人はいません。
街中ですれ違う人で、頭が大きく歪んで目に入ってきた経験もありません。
自分の娘の頭の形が、いままで出会った人たちと比べて、大きく歪んでいるとは思っていません。
したがって、少しくらい歪んでいても他人からは気にならないのでは、思いました。
また、対角線の左右差が変わらなかったとしても、頭のサイズが大きくなれば、歪みの比率は小さくなります。
歪みの比率が小さくなるということは、歪んで見えにくくなるということです。
頭が小さい今だから歪みが気になると考えました。
髪が伸びれば頭の形はほとんどわからなくなる
ヘルメット治療をしないことに決めた理由の3つ目は、髪が伸びれば頭の形はほとんどわからなくなるからです。
自分の子どもは女の子。
大人になって、頭の形がはっきりわかる超短髪にする可能性は低いと思います。
大人になれば上から見られる機会は減る
ヘルメット治療をしないことに決めた理由の4つ目は、大人になれば上から見られる機会は減るからです。
歪みが気になるのは、赤ちゃんで、頭を上から見ることが多いからである可能性があります。
大人になって背が高くなれば、だいたい正面からしか見られないはずなので、歪みは目につきにくいです。
私も妻も、身長は平均以上なので、娘の身長もそこそこの高さまで伸びる可能性が高いです。
他の人よりも上から見られることは少ないと思いました。
赤ちゃんへの負担が大きそう
ヘルメット治療をしないことに決めた理由の5つ目は、ヘルメット治療は赤ちゃんへの負担が大きそうだからです。
治療では、ヘルメットを一日23時間つけるようです。
他の人の体験談を読むと、ヘルメットを痛がったり、ヘルメット自体を嫌がったりする赤ちゃんもいました。
大きなメリットを見出せていないので、赤ちゃん負担をかけてまで矯正したくないと思いました。
乳児期のかわいい様子をたくさん撮りたい
ヘルメット治療をしないことに決めた理由の6つ目は、乳児期のかわいい様子をたくさん撮りたいからです。
ヘルメット治療の期間は約6ヶ月間。
生後6ヶ月から始めたら、1歳になるまでヘルメットは付けっ放しです。
いままで、日常のふとした瞬間をたくさん写真・動画に残してきました。
かけがえのない乳児期を、ヘルメットを付けていない状態で、これからもカメラに収めたいと思っています。
まとめ
赤ちゃんのあたまのかたちクリニックで診察を受けた経緯や診断内容、ヘルメット治療をしないことに決めた理由などをご紹介しました。
ヘルメット治療をするかどうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
この記事のポイント
- 3-4ヶ月健診で「頭の歪みが強い」と言われる
- 東京・赤坂にある「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」を受診、「重症の斜頭」と診断
- ヘルメット治療をしなかった理由は次の6つ
- 冷静な考えを取り戻せた
- 頭の形が気になる大人に出会ったことがない
- 髪が伸びれば頭の形はほとんどわからなくなる
- 大人になれば上から見られる機会は減る
- 赤ちゃんへの負担が大きそう
- 乳児期のかわいい様子をたくさん撮りたい