日本では個人の資産形成を促すため、いくつかの優遇税制があります。
今回は、つみたてNISAとiDeCoを理解する上で重要な4つの違いをご紹介いたします。
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共通点

つみたてNISAとiDeCoは全く別の制度ですが、いくつも共通点があります。
つみたてNISAとiDeCoの共通点
- 資産運用であること
- 利益に対して税金が掛からないこと
- 基本的に毎月積み立てること
- 上限額があること(つみたてNISA:年間40万円まで、iDeCo:年間14.4万円~81.6万円まで)
参考:つみたてNISA

引用:金融庁 つみたてNISAの概要
参考:iDeCo

引用:iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の特徴?
違い1. 辞めたくなったら全額回収できるか

つみたてNISAはいわゆる「投資」なので、辞めたくなったら金融商品を全額売却しすぐに現金にすることができます。
iDeCoは自分で作る「年金」なので、受け取ることができるのは60歳以降です。
辞めたくなっても売却してすぐに現金として受け取ることはできません。

違い2. スイッチングは非課税枠を使うか

ある金融商品を売却して別の金融商品を買い直すことをスイッチングといいます。
つみたてNISAは年間40万円まで金融商品(非課税)を積立購入することができる制度です。
スイッチングする場合は新たな購入にカウントされ非課税枠を使います。
iDeCoは拠出した資金を年金として受け取るまで自由に運用できる制度のため、何度スイッチングしても非課税枠を使うことはありません。

違い3. 掛金は所得から控除されるか

iDeCoのメリットの一つが、掛金の全額所得控除です。
「小規模企業共済等掛金控除」に該当し掛金全額が所得から減額されるので、所得税と住民税が安くなります。
つみたてNISAの購入額は所得から控除されません。

違い4. 制度利用に手数料が発生するか

つみたてNISAの利用にあたっては追加で手数料が発生しません。
iDeCoを利用する場合は、運用している間毎月発生する手数料に加え、申し込むとき(初回のみ)、掛金を拠出するとき(都度)、年金として受け取るとき(都度)に手数料が発生します。
手数料額は金融機関によって異なるので、申込先の選定においては取扱商品だけではなく手数料もよく確認しましょう。
ちなみに、手数料はiDeCoのサービスを提供している機関(国民年金基金連合会)に支払う分も請求されるため、ゼロにはなりません。

まとめ
つみたてNISAもiDeCoはどちらも老後の資産形成に役立つ優遇税制です。
それぞれの特徴を理解して利用しましょう。