医療費が増えてしまったときは、医療費控除を利用することで税金を一部減額(取り戻す)ことができます。
また、高額療養費制度についてはこちらをご覧ください。
医療費控除の概要
医療費の自己負担額が10万円を超える場合、10万円を超えた金額を所得から控除することができ、税金の負担を小さくなります。これを医療費控除と言います。
医療費控除の対象となる金額は、自分の分だけでなく生計を共にする配偶者や親族のために支払った医療費も含みますが、公的保険・民間保険等で補填された金額は減額されます。


高額療養費制度だと、上限額は所得に応じて決まっていたけど、医療費控除は所得にかかわらず一律10万円を超える金額が適用されるよ(控除額上限:200万円)。
医療費控除の対象となる医療費
医師・歯科医師による治療費に加え、医薬品の購入代金、診療を受けるための通院費、入院の際の部屋代や食事代、コルセットなどの医療用器具等の購入代なども「医療費」に含まれます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
ただし、通院費については、 電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除きタクシー代は控除の対象には含まれない他、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金などは、控除の対象には含まれません。
【医療費控除の対象とならないものの例】
◆ 健康増進を目的としたビタミン剤の代金
◆ 美容整形代
◆ 自己都合で発生した差額ベッド代
◆ 病院までマイカーで行った際のガソリン代
◆ 駐車場代
◆ タクシー代(公共交通機関が利用できない場合は除く)
◆ 一部の介護費用
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/01.htm#b-11

保険適用外の診療は、高額療養費制度の対象外だったけど、医療費控除の対象になるよ。
医療費控除を受けるための手続き
毎年2月16日~3月15日に確定申告をすることで税金が再計算され、還付を受けることができます。
この時、領収書から「医療費控除の明細表」を作成し、確定申告書に添付する必要があります。
領収書原本は、確定申告書に添付することなく、5年間保管しなければなりません。
もし「医療費通知」がある場合は、「医療費控除の明細書」を作成する代わりに医療費通知を添付することで明細書の記載を簡略化できます。
特例:セルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制とは、対象となる医薬品の購入代金が12,000円(世帯合計)を超えた場合、その超えた金額を所得から控除する医療費控除の特例です。医療費控除と併用することはできません。

セルフメディケーション税制を利用するためには、その年に会社の健康診断や自治体のメタボ検診などを受けていることが必須です。
対象となる医薬品は「スイッチOTC医薬品」と言われるもので、規制緩和により市販薬となった医薬品のことです。
スイッチOTC医薬品の一部にはマークが書かれている他、レシートでも確認できます。

医療費控除同様、確定申告において「セルフメディケーション税制の明細書」を作成することで、税金の還付を受けられます。
こちらも領収書の添付は不要ですが、領収書は5年間は保管しなければなりません。
終わりに
万が一に備えて、どんな制度があるか理解しておきましょう。