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購入前に必ず確認!投資信託の目論見書チェックポイント8選

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個人投資家の有力な投資方法の一つに「投資信託」というものがあります。これは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金として株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果はそれぞれの投資額に応じて投資家に分配されます。

今回は、投資信託の購入を検討する際に必ず確認が必要な目論見書について、そのチェックポイント8選をご紹介したいと思います。併せて、運用報告書月次レポートについても簡単にご説明します。

資料名説明発行確認のタイミング確認事項
目論見書投資判断において重要な情報適宜購入検討時+適宜・ベンチマーク
・ポートフォリオ
・分配方針
・騰落率
・純資産額
・信託期間
・資産の状況
・ファンドの費用
運用報告書投資信託における決算書年1回発行され次第・ベンチマークと基準価額の乖離
・純資産額
・運用コスト
・騰落率
月次レポート毎月の運用状況毎月適宜・資産の状況

私も毎月積み立てているeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を例にご説明いたします。この商品は、投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020にも選ばれている人気商品です。

実際の証券会社のページから目論見書へは以下場所よりアクセスできます。

楽天証券の画面

楽天証券キャプチャ

SBI証券の画面 (運用報告書が見つかりませんね、、、)

SBI証券キャプチャ

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)各種資料へのリンク

目論見書

ファンドの運用方針、リスク、運用実績、手数料等の費用など、投資をする上で重要な情報がまとめられています。投資信託を購入する前に販売会社から交付されますので、自分の投資方針やリスク許容度に合致しているか十分確認しましょう。

目論見書のチェックポイント
・ベンチマーク
・ポートフォリオ
・分配方針
・騰落率
・純資産額
・信託期間
・資産の状況
・ファンドの費用

ベンチマーク

検討している投資信託が何をベンチマーク(連動するのを目指す指標)としているのかを確認します。2ページを見ると、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスというものをベンチマークにしていることがわかります。

目論見書 ファンドの特色

ポートフォリオ

この商品に投資をすると、どのようなポートフォリオ(資産配分)になるかを確認します。3ページを見ると、すべて株式に投資され、先進国23ヶ国、新興国26ヶ国の計49ヶ国に分散されることがわかります。その中でもアメリカが58.3%と断トツです。各国市場の時価総額上位85%をカバーしているようで、非常に広範なインデックスです。

目論見書 対象インデックス 国・地域別構成比率
目論見書 投資対象

分配方針

分配方針を確認します。3ページ下部を見ると、"信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針"とありますので、配当せずに再投資されることがわかります。

目論見書 分配方針

騰落率

このファンドの1年間の値動き幅を確認します。8ページに年間騰落率のグラフがあり、1年間にどれだけ値動きをしたかの幅と、その平均が記されています。値動きの幅は▲20.0%~+32.8%と日本株と同じくらい、平均値は5.4%と日本株と先進国株の間くらいであることがわかります。

この値動き幅をしっかりと把握し、暴落局面でパニックにならないように備えましょう。

目論見書 ファンドと他の代表的な資産クラスとの騰落率の比較

純資産額

純資産はある程度の規模があるか(最低でも20億円)、また右肩上がりかを確認します。

9ページを見ると、純資産額:521億円と十分な規模があることが確認できます。純資産が少ないと、「繰上償還」といって途中で運用を終了し返金されてしまう恐れがあるからです。長期運用を志向する投資家にとっては避けたい事態です。

純資産が右肩上がりかを確認するのも同様の理由で、繰上償還の懸念がないかを調べるためです。2020年2月~3月頃に一時的に減少していますが、このタイミングで基準価額も下落しているので、資金流出ではなく株価が下落したことによるものだと予想されます。それを除けば順調に純資産が増えているので、繰上償還の心配は少なそうです。

目論見書 基準価額・純資産の推移

信託期間

信託期間(=ファンドの運用期間)を確認します。長期運用目的であれば長ければ長いほど望ましいです。10ページを見ると、このファンドの信託期間は無期限となっています。

目論見書 信託期間

資産の状況

主要通貨、主要銘柄を確認します。

通貨は、米ドル60%、日本円8.3%、ユーロ8.0%となっています。投資先では中国が5.2%を占めていましたが、通貨ベースでは韓国ウォン(1.5%)より割合は小さいのですね。

上位銘柄は、最大がAppleの3.8%で、一つの銘柄に偏っていないことがわかります。他の上位銘柄を見ると、Microsoft2.8%、Amazon2.6%、Facebook1.3%、Alphabet(=Google)1.1%といわゆる「GAFAM」だけで11.6%も占めていますね。

目論見書 主要な資産の状況

ファンドの費用

運用の肝ともいえる費用です。金融商品の場合は、費用の高さは運用成績と比例しないことが多いので、この費用は安ければ安いほど望ましいです。①購入時に発生する購入時手数料②売却時に発生する信託財産留保額③運用期間中、運用機関に支払う信託報酬およびその他の費用・手数料を確認します。(11ページ)

目論見書 ファンドの費用 主要項目
目論見書 ファンドの費用 その他

①購入時手数料、②信託財産留保額はゼロです。インデックス型投資信託では、この2つはゼロのものを選びましょう。

③信託報酬は、年率0.1144%(概算)です。低く抑えられていますね。このeMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けるファンドと謳っています。実際、他のファンドが信託報酬を引き下げた場合にeMAXIS Slimも追随してきた実績があります。

④その他の費用・手数料は、「隠れコスト」と言われていて、目論見書では確認することができず、運用報告書に見に行く必要があります。だいたい0.1%くらいでしょうか。

eMAXIS Slimコンセプト
引用:三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slimページより

運用報告書

会社で言うところの決算書で、年1回発行されます。

運用報告書 チェックポイント
・ベンチマークと基準価額の乖離
・純資産
・運用コスト
・騰落率

ベンチマークと基準価額、純資産増減

インデックス投資はベンチマークに連動した運用を求めていますので、基準価額とベンチマークの動きに乖離がないか確認します。2ページを見ると、基準価額はベンチマークにしっかりと連動していて、年間の乖離幅は0.3%と問題のない水準と考えられます。

運用報告書 基準価額等の推移

9ページには、この基準価格とベンチマークとの乖離について説明がされています。

運用報告書 ベンチマークとの差異
運用報告書 当該投資信託のベンチマークとの差異について

また、先ほどの図で純資産額が減少していないことがわかりますので、繰上償還の懸念は小さいです。

運用コスト

目論見書でご説明した「隠れコスト」を含めた実際のコストを4ページで確認します。この期では、隠れコスト=売買委託手数料0.016%+有価証券取引税0.035%+その他費用0.039%=0.090%でした。信託報酬0.119%との合計は0.209%です。安い水準なので問題ありません。

運用報告書 費用明細

騰落率

2回目なので説明は割愛しますが、改めて騰落率を確認しておきましょう。(13ページ)

運用報告書 ファンドと代表的な資産クラスとの騰落率の比較

月次レポート

資産構成、組み入れ銘柄を確認します。気が向いたらチェックしましょう。

月次レポート 資産構成
月次レポート 組入上位10か国・地域 組入上位10業種
月次レポート 組入上位10銘柄

終わりに

今回は、投資信託の購入・モニタリングにあたって確認すべき目論見書、運用報告書、月次レポートについて解説しました。

資料名説明発行確認のタイミング確認事項
目論見書投資判断において重要な情報適宜購入検討時+適宜・ベンチマーク
・ポートフォリオ
・分配方針
・騰落率
・純資産額
・信託期間
・資産の状況
・ファンドの費用
運用報告書投資信託における決算書年1回発行され次第・ベンチマークと基準価額の乖離
・純資産額
・運用コスト
・騰落率
月次レポート毎月の運用状況毎月適宜・資産の状況

みなさんの資産形成のお役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただき有難うございました。

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